おのおのの粒子は、「カプシド」と呼ばれるタンパク質の殻に囲まれた遺伝物質からなりたっている。
これらの粒子は外の世界を、ものともせずにウイルスの遺伝物質を細胞から細胞へと運び、それと同時に感染を広げる。
ウイルスは三個から四百個の遺伝子をもっているだけであり(人間は約一00、000個をもつ)、これらの遺伝物質の小さな断片は彼ら白冒身が増殖するための暗号を携えているのである。
しかしウイルスが増殖するためには、生きている細胞に潜入して支配権を握らなければならないのである。
近年は、「ウイルス」という言葉がコンピューターウイルスのように非生物学的な病原体を表すのに使われている。
このような現代的な「ウイルス」は目に見えないパラサイトであり、生きている細胞のなかでなくコンピュータープログラムのなかではあるが、感染し、増殖し、そして病気を引き起こす。
それらのウイルスはフロッピーディスクかあるいは電子メールによって伝達され、そして一旦コンピューターのなかに入るや否や、広がってプログラムを破壊し、大混乱を引き起こす。
ウイルスはひんぱんに「突然変異」するので、治療用パッケージの使用が限られる。
これらの特性のどれをとっても、コンピューターウイルスは生物学上のウイルスと似ている。
相似という点では、生物学上のウイルスは、細胞機械であるコンピューターのハードウェアに接近するとき機能するだけのフロッピーディスクである。
ウイルスが細胞に侵入することができる限り、細胞は「私を複製せよ」と書かれたウイルスの遺伝暗号を読み、その仕事を続けることになる。
「色割れ」チューリップウイルスのなかには、感染した細胞を、弱った状態においてではあるが生かせておいて、新しいウイルスの生産を続けさせるものがある。
これが起こると、感染は、細胞や動物あるいは植物に全体として奇妙な効果を表すことがある。
これの有名な例は美しい斑入りのチューリップの花で、一七世紀にオランダで初めて栽培されたときに「チューリップ狂」を引き起こした。
チューリップは一六世紀中頃にトルコからもち込まれ、オランダがまもなくチューリップ取引の中心になった。
単調な赤い花から、植物育種家たちは「色割れ」と呼ばれる白い筋の入った斑入りの花をつくり出した。
これらのエキゾチックな花は基部が白く、赤を地にした優美な白い線模様のある花弁をもっていた。
「色割れ」した花のチューリップはまれであったので、ステータスシンボルとして非常に珍重された。
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